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ホテル ドゥ ラルパージュ

ホテル ドゥ ラルパージュ

〒391-0301 長野県茅野市北山4035-1820Google Maps

TEL : 0266-67-2001

※繁忙期を除く毎週火・水曜日、2月は休館とさせていただきます。

レストラン予約

レストランのご予約はTableCheckより承ります。

ホテル ドゥ ラルパージュ

〒391-0301 長野県茅野市北山4035-1820Google Maps

TEL : 0266-67-2001

※繁忙期を除く毎週火〜水曜日、2月は全館閉館となります

シガー文化について

当館には、シガー(葉巻)を愉しむことができる「シガールーム」をご用意しています。

レストラン「ル・ジャルダン」でフランス料理をお楽しみいただいた後、食後酒やチョコレートとともにシガーをくゆらせ、その香りの余韻を楽しむひとときは何にも代えがたい大人の豊かな時間といえるでしょう。

今回の記事では、奥深いシガーの世界をご紹介します。

シガーはもっとも歴史が古いタバコの一つです。メキシコを中心とするメソアメリカ文明で古代から親しまれていたといいます。その後ヨーロッパへ伝わり、19世紀初頭まではスペインの一部地域でのみ普及していましたが、ナポレオン軍のスペイン侵攻をきっかけにヨーロッパ全体に広まったそうです。

その後、ディナー後に紳士たちがシガールームに集まる習慣や、高級ホテル、列車などにシガー喫煙用の部屋が設けられるようになり、文化として成熟しました。アメリカ大陸原産でヨーロッパに影響を与えたものは色々あります。食べ物ではジャガイモやトマトがそうですし、ファッションではパナマ帽(の材料)がそうです。シガーもその一つです。ジャガイモの無いフランス料理、トマトの無いイタリア料理、パナマ帽を被った男女のいないリゾート地、シガールームの無いホテルなど、今となっては想像できません。新大陸の発見が如何に旧大陸の文化を変化させたのかを物語る出来事の一つです。

シガーは、「ラッパー」、「バインダー」、「フィラー」という3つの部分から構成されています。「フィラー」とはシガーの芯の部分であり、ここで使用する葉たばこの種類やブレンドによって喫味・香りの基本が決まります。「バインダー」は、フィラーを締めつけるために巻かれる葉たばこのこと。そして、フィラーとバインダーの燃焼を促す役目を果たすのが「ラッパー」で、一番外側に巻かれている葉たばこを指します。吸うときは、先端をカットし、火をつけてゆっくりとくゆらしながら、葉巻独特の所作を楽しむことができます。

シガーの中でも高級とされる生産国はキューバ、ドミニカ共和国、ニカラグア、ホンジュラスですが、中でもキューバ産のシガーは伝統的な手作業と品質の高さでは有名な生産国です。葉巻のオリジナルを生んだ国であり最大の葉巻生産国キューバで作られるシガーは、フィラー、バインダー、ラッパーの全てをハバナ葉で構成されていることからハバナ産、単にハバナとも呼ばれます。また国有会社であるハバノス社が全てのキューバ産シガーの販売を担っていることから、ハバノスとの呼び名もあります。現在、以下の主要ブランドを含めて30を超えるブランドが存在しており、各ブランドに熱狂的な愛好家が存在し、とりわけ、ハバナシガーを最も消費するヨーロッパではその傾向が特に顕著だといいます。なかでもコイーバロメオ・Y・ジュリエッタモンテクリストパルタガスホヨ・ド・モントレイは特に有名で、ハバナ5大ブランドなどとも呼ばれます。

さて、ライブラリーバーからシガールームに通じる扉の前に銀製の置き物があります。

古代ローマの装いの女性が左右の壺を手にしています。これは、シガーが見えるように差して置くもので、展示台(フランス語でprésentoirプレザントアール)と言います。19世紀にティファニーで制作されたものです。ワインと同じようにシガーの周辺にも美しい道具が沢山作られました。これはその中の一つです。他にはシガーの端をカットする道具(面白いのはギロチン型、当館には残念ながらありません)、灰皿、シガーのヒュミドールなどがあります。

食後の3Cと呼ばれる、<シガー/Cigar><チョコレート/Chocolate><コニャック/Cognac>は食後の時間をより豊かに過ごすために欠かせないものとされています。しかし日本では、この3つを同時に愉しむためには、「喫煙目的室」という場所が必要となります。実は、喫煙場所には4つの区分があり、街中でよく見かけるいわゆる喫煙所は「喫煙専用室」と呼ばれ、その中では喫煙のみが許され飲食することは許可されていません。

当館は、フランスにあるホテルのバーでの過ごし方と同じように、お客様に3Cを愉しみながら、リラックスしてお過ごしいただきたいというオーナーの想いを実現するために、自治体より「喫煙目的室」としてお客様にご利用いただく許可を得て、「シガーバー」として営業できることになりました。

19世紀のイギリス、ジョージ5世の時代、晩餐会の後にgentlemen 紳士達が男性だけでシガールームに集まってくつろぐことが習わしになっていました。男女が共にいることが要求される晩餐会の後で男女が別々になるところに時代を感じます(当館のシガールームはもちろん女性のご利用も大歓迎です)。紳士達はその際には堅苦しい正装である燕尾服を脱いで軽い上着を着ていました。その名前は文字通りスモーキングジャケットと言います。シガールームを出る際にはこれを脱いで燕尾服に戻っていました。煙の匂いを外に持ち出さないためです。これが現在のタキシードの始まりです。部屋着から正装の一つとなった現在でもフランス語ではタキシードをsmokingスモーキングというのはその名残です。

シガーの影響にはこのように意外な広がりもあるので、ヨーロッパの文化には欠かせない一要素です。当館のシガーバーの椅子は、フランスのソファブランド「Duvivier」のものです。シガーを吸う間、長時間くつろいでいただいても疲れない座り心地とDuvivierならではのシックなグリーンに染色した、なめらかで上質な革で表現されたデザイン性を兼ね備えています。ゆっくりと流れる時間をお楽しみいただくことこそが、シガー文化の醍醐味です。お好みのシガーとともに、より豊かなバー時間をお楽しみください。

参考:日本たばこ産業株式会社ウェブサイト(https://www.jti.co.jp/index.html

バー「ル・レーヴ」の詳細はこちら

フランスソファブランド「Duvivier」についてはこちら

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