ホテル ドゥ ラルパージュのバー「ル・レーヴ」では、午後2時よりカフェ営業を行っています。柔らかな午後の日差しが差し込む店内で、ホテルメイドのケーキやパティシエ特製のアシェットデセールなどを選りすぐりのお飲み物とともにお楽しみいただけます。
晩秋からまだ肌寒い春の初めごろまでは、「ショコラ ショー」を期間限定でご提供しています。ショコラ ショーとはフランス語で「温かいチョコレート」を意味する言葉で、フランスでは定番のウィンタードリンクとして親しまれています。当ホテルでは、フランスの老舗ショコラブランド「ヴァローナ社」製のチョコレートと八ヶ岳高原牛乳をブレンドしています。チョコレートの濃厚な甘さとカカオの香り、そして牛乳のまろやかな味わいが合わさり、厳しい寒さで冷えた身体を内側から温めてくれます。別皿に添えられたシナモン、オレンジピールをお好みで加えて味わいの変化をお楽しみください。

さらに、昨年ご好評をいただいたグーテ ドゥ ラルパージュのご提供が3月より再開しました。春の開催となる今回は、旬のフレッシュな苺やベリー類をふんだんに使用したパティシエ特製のスイーツと、フレンチシェフが作るセイボリーをご堪能いただけます。4月25日(土)には 1日限りのロビーコンサートを開催予定です。フルートとピアノによる生演奏とともに、洗練されたフランス流のティータイムをお楽しみいただけます。
パティシエが心を込めて仕上げた一品一品を、お好みのお飲み物とともにお楽しみくださいませ。
厳しい寒さの冬が終わり、蓼科が暖かい春の陽光に包まれる頃には、当ホテルのガーデンが一望できるテラス席をご利用いただくと良いでしょう。
5月の中旬には、ホテルハイジ時代から大切に育てられた小梨の木と藤の木に花が咲き始め、初夏の訪れを感じさせてくれます。テラスからは、ガーデン内に設けた遊歩道へ直接出られますので、青々とした木々や芝生、フランスの邸宅のようなホテルの外観を眺めながらのお散歩もお楽しみいただけます。このようなテラス席は日本のカフェではあまり見られない光景かと思います。
フランス語で「テラス=terrasse」とは元々は建物のある階の延長で(バルコニーとの対比で)建物から飛び出していないものを意味していました。2階以上の場合はルーフバルコニーのことで、1階では地面を1階と同じくらいの高さに整備したものになります。当ホテルのテラスがその例で、さらに、飲食店が歩道に設置した飲食スペースのことも同様にテラスと呼ばれています。その違いは建物の敷地内かどうかというだけになります。従って、現代のパリでは飲食店と公道の中間に位置する日本でいえば縁側のような機能をはたしています。歩道と一体化した空間で、街の喧騒や行き交う人々を眺めながら過ごす「見て・見られる」心地よさを味わえる空間です。パリの人々は太陽を愛し、日焼けした肌が好まれるため、テラスは日光浴をしながらリラックスする空間となっています。
また、当初から禁煙だったサロン ドゥ テとは反対に、カフェは歴史的に喫煙可能な場所でしたが、禁煙条例ができたことにより現在ではテラス席が唯一の喫煙場所となっています。

このように、当ホテルも大切にしているフランス発祥のカフェ文化は今や世界各国に広がり幅広い世代に親しまれています。
パリの街を歩けばいたるところにカフェが立ち並び、テラス席では地元の人が仲間や店員と談笑をしながらくつろいでいる様子が目に入ります。今では当たり前になってしまった光景も長い歴史を歩んできたフランスのカフェ文化を振り返ってみると、大変興味深い歴史を歩んでいることがわかります。
ここからはフランスのカフェ文化が歩んできた歴史の足跡を、一歩一歩辿っていくことにしましょう。

ヨーロッパで最初のカフェができたのは、イタリアのローマやヴェネチアです。その後、イタリアを見本としたカフェがフランスにも姿を現し、1686年にフランス パリに本格的なカフェが誕生します。店舗名はプロコープといい、美しい店内はその後に作られるカフェの見本となり、現在まで長く愛される老舗カフェとなっています。フランスのカフェの特徴ともいえるテラス席を導入し始めたのもこのカフェです。現在はカフェではなくレストランとして営業をしていますが、ナポレオンが置いていったとされる帽子が店内に飾られていて、多くの観光客が訪れる人気店となっています。
プロコープができた後、パリ市内には次々とカフェが作られ、ルイ15世の時代には600軒ほどあったとされています。当時は医者によってコーヒーが嘔吐を抑えて心臓を強くするものとして勧められていたため、健康のために多くのパリ市民がコーヒーを愛飲していたという時代背景も関係しているのかもしれません。
このまま順調に市民の間でカフェ文化が一般的なものになっていったと想像することは容易いですが、市民の間に広がるまでにはもう少し複雑な歴史をたどっています。
18世紀後半ごろになるとカフェの人気はより一層勢いを増し、瞬く間に流行の一途を辿っていきます。これは革命が起こる流れの中で、カフェが大きな役割を担っていたからです。
当初は一般市民の憩いの場というよりも貴族や芸術家たちの社交場としてよく使われていたカフェですが、18世紀後半、フランス国内が財政破綻や食糧危機に陥りいよいよ革命を起こそうという時期になると、啓蒙思想家たちが集まる政治サロンへと変化していったのです。18世紀末には革命家たちが集まって過激な議論を交わしたり、王制打倒を目指す者たちが秘密裏の話し合いをしたりする場となりました。カフェでの議論が白熱し勢いを増した末、フランス革命へと発展していくのです。
カフェは革命中も政治の動向を伝えるため新聞の配布を行い、市民の関心を高め、人々が自由に議論できる場としてあり続けました。カフェはフランス革命に大きな影響を与え、革命を支え続けた場所でもあったのです。フランス革命後からは、思想家たちが政治討論をする場から一般市民が集う場へと徐々に変化していきます。
19世紀の終わりになると、多くの画家や文学者が執筆活動や創作へのインスピレーションを得るためにカフェへ足を運びました。活動に励む芸術家たちを支える芸術サロンの役割も担っていたのです。
20世紀には、知識人が集まる場所でもあり続けるとともに、若者文化の発展にも寄与し、その役割の幅を広げ続けました。

このようにフランスの時代背景とともにカフェの動向を見ていくと、その後のフランス全体の文化の発展や政治の大きな転換期にも深く関係していたことが分かります。
単なる飲食の場として発展していったのではなく、政治や思想、芸術文化の発信地であり続けていたからこそ、今のフランスのカフェ文化があるのです。
日焼けにあまり抵抗がないフランスでは、夏の日差しが強い時間でも多くの人々がテラス席で談笑を楽しんでいます。昨今、日本の都市部の夏は大変蒸し暑く、屋外にいるのは危険なほどですが、当ホテルのある蓼科高原は、湿度が低いため、真夏でもパラソルの日陰に入れば爽やかに過ごせます。デジタルデトックスもかねて談笑をしたり読書をしたりする時間を楽しむことから始めてみるのも、フランス流のカフェ文化に触れてみる良いきっかけになるかもしれません。
当ホテルのカフェをご利用いただき、フランスのカフェの歴史に思いをはせていただけるのであればこれほど喜ばしいことはありません。
蓼科の自然に囲まれながら、バー「ル・レーヴ」にてごゆっくりと有意義なカフェタイムをお楽しみください。
皆さまのご来館を心よりお待ち申し上げております。