ホテル ドゥ ラルパージュの館内には、至るところに絵画が飾られています。フランスのご家庭に行くと、どの家の壁にも絵がかかっています。それらは昔からそこに掛けられたままになっているかのように馴染んでいます。
このホテルで皆さまのご覧になられている絵は、いずれもそういう雰囲気をお楽しみいただくべく、当ホテルのオーナーが一枚一枚選んだものです。
誰もが知っているような画家の描いたいわゆるミュージアムピースなどはありません。とはいえ、そこに一枚の絵があるだけでその場の雰囲気、空間が変わります。そのような「絵のある空間」を感じていただければ、と思います。
館内に飾られている絵画は18世紀から20世紀のヨーロッパ作品が中心となっており、それぞれのスペースごとにテーマを決めて飾られています。
今回は、ホテルのエントランスとそこに続くウィンターガーデンに飾られた絵画をご紹介します。
エントランスを入った正面に飾られているのは、当ホテルでは希少な21世紀の日本人アーティストによる油絵です。薄く伸ばした絵具を垂らすように塗り重ねることで、このように美しくナチュラルな表現を実現しています。
エントランスホールのその他の絵は明るい色彩の20世紀の絵画を中心にしています。「風景」や「花」をテーマに、華やかで広がりのある空間を演出し、ホテルに入っていらっしゃるお客様を明るくお迎えします。
エントランスの奥に続くウィンターガーデンには、天窓から自然光が降り注ぎます。鉄とガラスの屋根、扁平なアーチの天井など、19世紀的な建築の空間となっています。半円アーチの回廊に囲まれた18世紀の建物の中庭に19世紀に屋根を掛けたという見立てです。ここには、同じく19世紀にフランスで興ったバルビゾン派の作品を中心に、自然主義的な風景画を配置しています。正面の大きな壁には高さ2メートル、幅1.7メートル強の大作、暖炉の上とその対面の壁には、フランスの田園風景を描いた二枚の風景画が飾られています。 石灰岩の色の壁に囲まれたウィンターガーデンに、フランスの自然風景が柔らかな雰囲気で彩りを添えています。
ウィンターガーデンを囲む回廊、レセプション、ライブラリーバー、レストラン、さらに客室階の廊下にもさまざまな絵画が飾られています。それぞれの絵画自体はもちろん、それが飾られた「空間」や絵画のある「上質な日常」をお楽しみいただければ幸いです。