宿泊予約

ホテル ドゥ ラルパージュ

ホテル ドゥ ラルパージュ

〒391-0301 長野県茅野市北山4035-1820Google Maps

TEL : 0266-67-2001

※繁忙期を除く毎週火・水曜日、2月は休館とさせていただきます。

レストラン予約

レストランのご予約はTableCheckより承ります。

ホテル ドゥ ラルパージュ

〒391-0301 長野県茅野市北山4035-1820Google Maps

TEL : 0266-67-2001

※繁忙期を除く毎週火〜水曜日、2月は全館閉館となります

館内の書籍紹介

ホテル ドゥ ラルパージュの館内には数多くの書籍を所蔵しています。「建築」「インテリア」「美術」「庭」「料理」などのジャンルを中心に、当ホテルオーナー戸部浩介が直接選んだもので、客室やバー、パブリックエリアなどに配置されています。ホテルにお越しいただく方にお楽しみいただけるよう、今回の記事では館内に所蔵されている書籍の一部をご紹介いたします。

レセプションにある棚には、ホテル内のほぼすべての壁塗装に使用したイギリスのペイントメーカー「FARROW&BALL」の本や、フランスの家具、インテリアについての本を中心に並べています。「FARROW & BALL」の書籍は、館内の雰囲気や内装、壁の色を決める際に戸部が大いに参考にしました。この本では、「白」(ニュートラル)にもさまざまな色調があること、色の組み合わせ方(推奨の組み合わせは非常に優れています)、室内の配色の仕方が丁寧に説明されています。日光の当たり方で見え方が変わるので、部屋が北向きか南向きかでも色の選択が異なることも説明されています。こうして完成した色彩と光の、暖かさやバランスの美しさを、当ホテルにお越しいただいた際にぜひご体感いただければと思います。

同じ棚には大理石の種類を解説した本もあります。レセプションの暖炉には色大理石が使われていることから置いてあります。

また、同じくレセプションの本棚にある、写真をメインにした一冊「 Une Maison, et des foulards(家とスカーフ)」は、オーナー戸部による写真と文章をまとめた一冊です。写真を眺めているだけで、手触りのよさそうなスカーフ、その豊かな色彩と背景の上質なインテリアとの取り合わせに「上質な日常」の一片を見るような気分になります。レセプションにお立ち寄りの際にはぜひお手に取ってお楽しみくださいませ。

ウィンターガーデン中央のローテーブルには、当ホテルについての記事が掲載された日本の雑誌や海外のインテリア雑誌、フランス料理の本などが並んでいます。当館の初代料理監修を務めた、東敬司シェフが生前に購入した料理の本や雑誌などもこちらでお手に取って読んでいただけます。天井から差し込む温かい陽射しに包まれながら、ウィンターガーデンでゆっくりとした時間をお過ごしください。

当ホテルで一番多くの書籍を保有している空間といえば、その名の通り、ライブラリーバー「ル・レーヴ」でしょう。館内では唯一ダークカラーの色調でまとめた、落ち着いた雰囲気の店内で、心ゆくまで読書をお楽しみいただけます。

下の写真は「L’ART ROMAN」(ロマネスク美術)というタイトルの書籍です。「ロマネスク美術」とは10世紀末から12世紀にかけてヨーロッパで栄えた建築や美術の様式で、「ローマ風」を意味します。石造りの厚い壁、半円アーチ、重厚感のあるデザインが特徴といわれています。この大判の書籍はブルゴーニュ南部の狭い地域に着目しています。美術史の資料としても価値があると同時に、昔の技法で印刷された美しい写真を楽しむことができます。

ライブラリーバーには、ルリユール(装丁)をパリの専門店に依頼した本が幾つかあります。それらの本はいずれも大判で出版時はページがバラバラのままでした。1ページずつ糸で閉じて本にする必要があります。購入した人が自分の好みに合うように装丁できるための仕様です。ライブラリーバーのそう言った本はオーナーの戸部が背の革の色や表紙の装飾紙の種類などを選んだものです。どのようにページが綴じられているか、どんな革や紙が用いられているか、ご覧になってください。

余談ですが、そもそも昔の本は仮綴(かりとじ)の状態で売られていました。表紙もあり一応綴じてあるので、そのままでもページを切れば読めるのですが、愛書家(bibliophilie ビブリオフィル)は後で好みの革や装飾紙で装丁し、時には天金を使っていました。単に珍しい本を集めるだけでなく、美しい装丁の本を造ることも愛書趣味の一部でした。蔵書票もこのような趣味の一部分です。以上がルリユールが工芸の一つである理由ですし、書籍がそれほどまでに高価であったことの名残りです。そのような美しい姿の本を集めたライブラリーがその家の誇りでもありました。大まかに言うと、A5の大きさの本は大きな紙に片面8ページ両面16ページ印刷して、3回二つ折りにしてから糸で綴じられていました。今とは違い(小口の)折り目を切らない状態で売っていたので、ペーパーナイフで切りながら読み進めていました。古書でページが切られていない本があったり、逆にページは切られていても小口が平面でなくページの縁がペーパーナイフでギザギザに切ってある本があるのはそのためです。

ルリユールをお願いした本の中には、例えば、「Vieilles enseignes de Paris en fer forgé 」(1925年)という面白い大判の書籍があります。昔のパリでは各種のお店の看板がロートアイアン(錬鉄)で作られていました。壁から通りに突き出した看板もあれば、入り口扉の上部の欄間のようなスペースを飾るものもあります。この本はこう言った看板を描いた版画集です。絵柄だけで無く、当時のお店のネーミングも一つ一つ見て行くと興味は尽きません。
実はこう言ったロートアイアンの看板の実物がホテル内に隠されています。地下のワインセラーの入り口に飾られている18世紀パリの酒屋、「Tour d’or」トゥールドールの看板です。銀の塔トゥールダルジャンならぬ金の塔です。セラー見学の際には是非ご覧になってください。

ホテルにはその他にもロートアイアンの物が身近にあります。ホテルの正面玄関向かって左側にある、ガーデンの入り口の鉄扉はロートアイアンで作られています。可愛いらしい鳥を配して、楽園の扉をイメージしています。2階回廊の大きなテーブルの天板やその下のペルシャ絨毯のモチーフと同様です。客室のバルコニーや螺旋階段の手すりも同じ技法で作られたものです。鉄の棒をハンマーで叩いて曲げたり成形したりしていくので、独特の風合いや伝統的なデザインをご覧いただけます。

所蔵の書物は読むことより見ることに重点を置いています。殆どが洋書ではありますが、大判で写真や絵、イラストの多い本を中心に揃えており気軽にお楽しみいただけます。非常にニッチなテーマの本もあるので、その分野にご興味のある方には特に関心を持っていただけると思います。イギリス式庭園、18世紀フランス家具、フレスコ画、バロック建築など色々です。

本の並べ方も内容別に分類しておらず、あえてバラバラのままにしています。お客様には行き当たりばったりの「散策」をお楽しみいただけるようになっています。気になった本のページをめくって頂いて、お気に入りの一冊を発見していただければ幸いです。

「読書の秋」や「食欲の秋」とも呼ばれるこれからの季節。蓼科もこれからますます秋らしく色づいて来ます。10月には、秋の味覚をお楽しみいただけるフランス流アフタヌーンティー「グーテ ドゥ ラルパージュ」をライブラリーバー「ル・レーヴ」にてご提供予定です。多くの書物に囲まれながら秋の豊かな食材をお楽しみいただけるこの機会に、ぜひご来館くださいませ。

フランス流アフタヌーンティー「グーテ ドゥ ラルパージュ」についてはこちら

バー「ル・レーヴ」についてはこちら

SHARE :

Experiences 体験