信州といえば、「そば」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
当館が位置する長野県・茅野市は標高が高く、八ヶ岳や蓼科山の豊かな水や冷涼な気候に恵まれており、古くからそばの栽培が盛んにおこなわれてきました。そんな背景から今でも茅野市には数多くのお蕎麦屋さんが軒を連ねていますが、なかでも茅野市から蓼科高原へ向かうビーナスライン沿いは特にお店の数が多く、別名「そば街道」と呼ばれています。
茅野市街地~ホテル周辺のお蕎麦屋さんはこちら。
当館のコンシェルジュデスクでは、信州の名物であるそばを味わうだけでなく、「実際に自分で打ってみたい」というお客様の声にお応えし、そば打ちを体験できるお店をご紹介しています。
今回は、ホテルスタッフが実際にそば打ちを体験した様子を体験の手順とともに皆様にお届けいたします。
今回訪れたのは、ホテルから車で10分程の距離にある「遊楽庵」。地元の人にも愛される信州手打ちそば工房です。
お店に入ってまず目を引くのは、日本酒の瓶が壁一面に並ぶこの圧巻の景色です。
遊楽庵では、そば打ち体験や食事ができるだけでなく、酒ミュージアムが併設されており、日本酒やワインなど信州のお酒も購入することができます。

この空間を進むと2階にそば打ち体験の会場があります。
優しいスタッフの方に案内していただき、まずは手をきれいに洗い、用意されているエプロンを着用します。準備が整ったら、まずはそば打ちの工程について説明を受けます。

今回体験させていただいたのは、「十割そば」を打つプログラムです。
十割そばとは、小麦粉などのつなぎを使わず、そば粉100%で打ったそばのこと。そば本来の豊かな香りと風味を楽しめるのが特徴です。つなぎを使わない分、そば打ちには技術が必要ですが、打ちたてならではの特別な味わいを楽しむことができます。
工程①「水回し」

そば粉に水を加え、粉全体に水分を行き渡らせる最初の作業です。そば粉に少しずつ水を加えながら、指先で粉をかき混ぜていきます。水が均一に行き渡るように混ぜることがポイントで、徐々に粉が小さな粒状に変化し、まとまるようになります。
十割そばは、小麦粉などのつなぎを使わないため、特に水分量や水の回し方が仕上がりを左右する大切な工程だそうです。最初はさらさらとしていたそば粉が、自分の手のなかで、少しずつまとまっていく様子を感じると、なんともいえない達成感がありました。粘土遊びをするような感覚で楽しめるため、小さなお子様にも親しみやすい工程です。
工程②③「地延し」「丸出し」
次に、のし板に軽く打ち粉を引き、手を使って生地を円を描くように大きくしていきます。
その後、めん棒を使用しながら生地をさらに伸ばします。

工程④「四つ出し」
次は、丸く伸ばした生地を四角に近い形へ整える工程にはいります。

生地をめん棒に巻きつけ、転がしながら角を作っていきましょう。生地の四方向に力を加えて整形しますが、角を作るのが意外と難しいことに気が付きます。スタッフの方によると、「生地を薄くすることよりも、均一な厚さと四角い形をつくること」が何よりも大事なコツだそうです。この「四つ出し」作業が綺麗にできると、この後の生地を畳む→切る作業が非常にやりやすくなります。
工程⑤⑥「肉分け」「本延し」
「四つ出し」で四角く整えた生地を、めん棒を使ってさらに伸ばしていきます。
「肉分け」とは、生地の厚みのムラを整え、全体を均一な厚さに近づける作業です。前の工程「四つ出し」の段階で厚みまで均一に整えられていれば、この工程での調整は少なくて済みますが、形を整えながら厚みまで均一にするのは、慣れないうちは難しいもの。そこで、肉分けの工程で生地の状態を確かめながら、厚い部分と薄い部分のバランスを整えていくのです。
ポイントは、生地の厚みをよく見ながら、めん棒を転がす力加減や方向を調整すること。力を入れすぎると一部だけが薄くなってしまうため、生地全体の状態を確かめながら、少しずつ丁寧に整えていきます。
続く「本延し」では、「肉分け」で厚みを整えた生地を、さらに薄く伸ばして仕上げます。めん棒をコロコロと動かして、目標の薄さへと慎重に近づけていきます。生地が少しずつ薄く、なめらかに広がっていく様子に、そば打ちならではの楽しさを感じました。最後に、生地全体の厚みをスタッフの方に確認してもらったら、いよいよ麺に仕上げるための準備が整います。

工程⑦⑧「たたみ」「切り」
まずは生地にたっぷり打ち粉を振り、折りたたみましょう。生地をまな板の上に置き、スタッフの方から包丁の使い方についてレクチャーを受けます。
一般的な包丁ではなく、専用の「そば切り包丁」を使用します。刃が長く、重さがあるのが特徴です。

そば同士がくっつかないよう、適宜打ち粉を振りながら、一枚の生地を丁寧に切り分けていきます。均一な幅に切り揃えるには、包丁を入れる角度や力加減が大切です。包丁を大きく動かすのではなく、刃の部分を安定させて添えた手で生地を少しずつ送るようにするのがポイント。こうすることで生地の幅を揃えやすくなります。そばの太さを揃えることで、茹でるときに火が均一に通りやすくなり、安定した食感になるのだそうです。
実際に切ってみると、思っていた以上に均一に揃えることが難しく、少し幅が太くなってしまうことも。そんなときもスタッフの方が優しく声をかけてくださるので、緊張することなく、最後まで楽しみながら取り組むことができました。 すべて切り終えれば、そば打ち体験は終了です。最後に手をきれいに洗い、エプロンを返却して、完成したそばとともに体験の余韻を楽しみます。
さて、約1時間の「そば打ち体験」は、いかがでしたでしょうか。
スタッフの方が丁寧に説明しながら、最後までサポートしてくれますので、初めての方でも安心してお楽しみいただけます。ご自身で打ったそばは、併設の食事処「遊楽庵 粋」で湯がいてもらい、その場で味わえるほか、お土産としてお持ち帰りいただくことも可能です。一から自分の手で打ったそばは、格別な味わいとして、旅の思い出に残ることでしょう。
今回伺った「遊楽庵」は、お食事のみのご利用も可能です。信州に来たからには、美味しい十割そばを手軽に楽しみたい!というお客様にもおすすめです。
「遊楽庵」
住所:長野県茅野市北山5522-281(ホテルから車で約10分)
定休日:木曜日
【営業時間】
<信州酒ミュージアム>
9:00~15:00
<遊楽庵 粋>
夏季11:00~15:00(L.O.14:30)/ 冬季11:00~14:30(L.O.14:00)
【そば打ち体験について】
開始時間:10:00~
料金:5,500円(4人前)からご予約可能。
※1〜3名のご利用でも、4人前の料金でご案内可能です。
4人前以上ご希望の場合は、別途お問い合わせください。
そば打ち体験のご予約は、当館レセプションでも承っております。
ホテル周辺には、遊楽庵をはじめ、そば打ち体験をお楽しみいただける施設が複数ございますので、ご希望の日程をお伺いし、各施設の空き状況を確認のうえ、ご利用可能なお店をご案内させていただきます。
蓼科で過ごす時間が、信州の豊かな自然や食文化に触れる、素晴らしいひとときとなりましたら幸いです。
皆様のご来館を心よりお待ちしております。