日を追うごとに、夏の訪れを感じるようになってきた蓼科。
当館周辺は標高約1,250mに位置し、盛夏でも湿度が上がりにくく、からりとした空気のなか、心地よくお過ごしいただけます。
この爽やかな気候をより印象深いものにしているのが、周囲に点在する豊かな水辺の風景です。
森に囲まれた湖や湿原は、蓼科の涼やかさを象徴する存在ともいえるでしょう。長野県には100を超える湖沼が点在し、それぞれが四季折々に異なる表情を見せてくれます。
たとえば県内最大の湖である諏訪湖では、毎年8月15日に開催される「諏訪湖祭湖上花火大会」が広く知られ、湖上ならではの壮大な演出が夏の夜を彩ります。
また、長野県北部に位置する野尻湖は、複雑な湖岸線と島々が織りなす景観が魅力の湖で、日本有数の化石の発掘地としても知られています。
そんな個性豊かな湖沼が点在する中で、当館にご滞在のお客様にとって最も行きやすい湖となるのが、当館から徒歩圏にある蓼科湖です。
■人の知恵から生まれた、農業用の湖
蓼科湖は昭和27年5月、農業用の温水ため池として誕生しました。
通常、ため池とは季節による水量の違いや急な川の流れの水で灌漑するものというイメージがあると思います。例えば香川県では雨が少なくしかも川が急なために、ため池が多数作られました。日本最大級の農業用ため池である香川県の満濃池(まんのういけ)はその一つです。
蓼科湖の場合は、水量に加えて水温の調節という機能が加わっています。それというのも、蓼科のような高地では、山から流れ込む水は一年を通して冷たく、そのままでは農作物の生育に適しません。
そこで人々は、水を一度せき止め、湖として蓄え、太陽の光によってゆるやかに温めるという方法を選びました。自然の力に抗うのではなく、時間をかけて人間の生活に調和させる—その発想こそが、この湖の原点にあります。
蓼科エリアで同じく人気のある「白樺湖」や「女神湖」も、実は同じルーツを持つ人造湖。満濃池や蓼科湖と同じように、人の手によって生まれながら、いまでは周囲の自然と穏やかに溶け合い、まるで古くからそこにあったかのような風景をつくり出しています。一見すると自然の中に溶け込んだ穏やかな湖ですが、その背景には、この土地に暮らしてきた人々の知恵と工夫があるのです。
■四季とともに移ろう湖の表情
外周およそ1kmほどの小さな湖である蓼科湖。
しかしその静かな水面は、時間や季節によって豊かな表情を見せてくれます。
朝、まだ人の少ない時間帯には、湖面は鏡のようにクリアに、周囲の木々や山並みをやわらかく映し出します。
澄んだ空気の中を歩くひとときは、日常の喧騒を忘れさせてくれる格別の時間となるでしょう。
日中は、陽光を受けてきらめく湖面と、白樺や落葉松の緑が鮮やかなコントラストを描き出します。
夕暮れ時には、空の色の移ろいが湖面に映り込み、ゆっくりと時間が流れていきます。春には桜がほころび、夏にかけて美しい緑をお楽しみいただけます。
秋には紅葉が湖畔を彩り、夜にはライトアップが幻想的な風景を演出します。
冬は澄み切った空気の中で静寂が際立ち、訪れる人の心を静かに整えてくれます。

■蓼科湖エリアの発展
近年、蓼科湖周辺は新しい施設が続々とオープンし、これまで以上に魅力的なエリアへと進化しています。
2020年7月に誕生した道の駅「ビーナスライン 蓼科湖」を皮切りに、2023年には、観光案内所のカウンターや飲食店、日帰り温泉施設を備えた複合施設「蓼科BASE」がオープン。
ひと休みしながら次の目的地を決めるにはピッタリの場所です。
観光案内コーナーには、当館のパンフレットやフライヤーも設置してあります。

さらに、道路を挟んだ向かい側には、八ヶ岳発のクラフトビールブランド「エイトピークスブルーイング」が工場兼直売店を構えています。ここでは、地元の原材料や水にこだわった、この土地ならではの香り高いビールを楽しむことができます。
「エイトピークス」のクラフトビール「Matto Hop/マット ホップ」は、当館の客室やレストランでもご提供しています。八ヶ岳西麓は今から約80年前に大手ビールメーカーによって初めてホップの栽培が行われた場所のひとつだそうで、同店で醸造されているビールも一部を除いて茅野市産のホップを使用して作られています。
将来的には100%茅野市産のホップから作られたものを使用しようと日々奮闘されています。
ちなみに商品名の「まっと」は「もっと」という意味の諏訪地域の方言からとっているそうですよ。


EKAL(エカル)は、「海でも山でもなく、湖へ。」をコンセプトに展開するアパレルショップです。店名は、湖を表す意味の英単語「LAKE」を反対にした造語で、「湖畔で過ごす時間」をテーマにしながら、街と自然とのあいだの距離を緩やかに縮めていく提案を行っています。
セレクトショップブランドとして知られるURBAN RESEARCH(アーバンリサーチ)が運営しており、アウトドアウェアをはじめ、キャンプ用品や登山グッズも豊富に取り揃えています。
旅先で急に必要なものが出てきた際にも、安心してお立ち寄りいただけます。
■滞在とともに楽しむ蓼科湖
当館から蓼科湖までは、車でわずか1分、徒歩でも約10分ほど。
ご滞在の合間に、気軽に足を運んでいただける距離にあります。
朝食前に湖畔を歩き、澄んだ空気の中で一日を始めるひととき。
お食事の後にゆったりと散策し、静かな余韻に浸る時間。
湖畔で過ごした時間は、そのままご滞在の記憶として静かに積み重なっていくことでしょう。
夏~秋の時期には、様々なウォーターアクティビティもお楽しみいただけます。

「蓼科湖レジャーランド」では、定番のスワンボートやカヌー、カヤックなどの多様なアクティビティが用意されており、小さな子供から大人まで自然豊かな蓼科湖を満喫することができるでしょう。
ここで体験できるすこし変わったアクティビティは、「アメンボ自転車」です。
足で漕ぐペダル付きのボードで、湖上での浮遊感を体験しながら涼しい風を身体全体で感じることができます。
140㎝〜という身長制限がありますが、もし利用条件に当てはまればぜひお試しください。
また近年人気が高まっている、SUP体験もお楽しみいただけます。

SUP(サップ)とは、「Stand Up Paddleboard(スタンドアップパドルボード)」の略称で、ボードの上に立ち、パドルを使って水上を進むアクティビティです。
湖面をゆったりと散策しながら、自然を間近に感じられるのが魅力で、初めての方でも比較的気軽にお楽しみいただけます。
蓼科の快適な気温のなか、、穏やかな水辺で過ごす、開放感あふれるひとときをお楽しみください。
水上アクティビティのほかにも、ゴーカートやパターゴルフ、屋外でトランポリンを楽しめるエリアもございます。
これらのアクティビティについての詳細は、「蓼科湖レジャーランド」のHPをご覧ください。
■“ちょうどいい規模”がもたらす豊かさ
蓼科湖の魅力のひとつは、その程よい大きさにあります。
外周約1kmという距離は、無理なく一周できるちょうど良い長さです。
整備された遊歩道は勾配も少なく、どなたでも気軽に散策をお楽しみいただけます。
天気が良い日には、お飲み物を片手に散歩する方、ランニングを楽しむ方、ペットとともに過ごす方—それぞれが思い思いの時間を過ごす、穏やかな風景が広がります。
過度に観光地化されていないこの場所には、自然と静かに向き合うための余白があります。
その“ちょうどよさ”こそが、蓼科湖ならではの魅力といえるでしょう。
近年は周辺施設も充実し、散策の楽しみがさらに広がっています。湖畔の雰囲気を堪能したあとは、ホテルに戻り、アクティビティの疲れを癒したり、ゆっくりとお寛ぎいただきながら、余韻に浸るひとときもまた格別です。
蓼科の自然、歴史、そして新しい文化が交差する「蓼科湖」。
当館にお越しの際には、ぜひ足をお運びくださいませ。